プロジェクトについて

このプロジェクトは、東日本大震災の被災地の学校や子供たちに直接楽器を届け、演奏家を派遣し、コンサートやワークショップなどを行うことによって、子供達が音楽とふれあう機会をつくり、不安を和らげ、将来に向けて心を豊かにするための"音楽で支援"する活動を行っています。また、これらの活動により、ドイツと日本との間で音楽を中心とした文化交流を図りたいと考えています。

東日本大震災の直後、ドイツに住む多くの方々から被災地の子供のために多額の義援金が集まりました。この義援金を100%全額、被災地に直接届けてほしいと支援者から申し出があったことが、このプロジェクトのはじまりです。さらに、ドイツにおいて、心ある音楽家によるチャリティコンサートを開くことにより"音楽で支援" していこうという現在の活動に発展しました。
ドイツのみなさまからいただいた義援金をドイツから直接被災地に贈ることは苦労の連続でしたが、ドイツの財団や日本でのご縁など、みなさまのご協力のもとに、数々の支援活動を行っています。

"音楽で支援"する活動の一つに「楽器支援」があります。チャリティコンサートによって集まった義援金を被災地の子供たちに楽器を贈ることで、音楽とふれあう楽しさを思い出してほしいというものです。もちろん支援する楽器は、可能な限り現地で購入しています。
そんなある日、楽器支援した学校からドイツに、その支援された楽器を使って演奏している子供達のビデオレターが届きました。私たちは、ハンブルク州立オーケストラのチャリティコンサートでそのビデオレターを流し、支援先の子供達が一生懸命演奏している様子を会場のみなさまと見ました。そのビデオレターは今でも語られるほど、会場のみなさまの心に深く響くものでした。支援した方が逆に子供達から勇気づけられたのです。
そのビデオレターのお礼として、被災地の学校に訪問したのが"音楽で支援"するもう一つの活動「訪問コンサート」のはじまりです。現地に赴いた私たちは、被災地の子供たちとふれあうことで、楽器はあくまで単なる道具であり、奏でる人の心が何よりも大事だとあらためて気づかされました。子供達は初めて見る楽器や音楽に目を輝かせながら聞いていました。またドイツという海を超えた国をもっと知りたいと、興味津々にたくさんの質問をくれました。

このような経過を経て、私たちにとって『支援する』ということとは、音楽を通して心と心を『交流する』ことだと気づかされました。
本物の音楽にふれ、子供達が音楽を好きになって楽器を演奏してくれたら、夢中になって練習し何かを極めることを体験してくれたら、それは未来にとってかけがえのない宝になると信じています。また同時に海を超えた外国の国に対して、親近感をもってくれること、それは今後の私たちの日本の将来につながることと確信しています。

この支援活動がきっかけになり、ドイツではAllegro e.V -Musik und Tanz für Kinder -が設立され、日本のこのプロジェクトと連携しています。


このような支援活動が継続的に実施できるのは、みなさま一人ひとりのご理解、ご支援の賜物であると心から感謝しております。
今後もみなさまの温かいご理解とご支援をどうかよろしくお願い申し上げます。


こども楽器プロジェクト